株式会社 やます 代表取締役 諏訪 寿一 Model02 株式会社 やます 代表取締役 諏訪 寿一 Model02

地元客をターゲットにした
経営戦略で事業を急成長させた
革新的経営者。

【プロフィール】諏訪 寿一(すわ としかず)

1971年生まれ、千葉県出身。株式会社やますの前進である「諏訪商店」を創業した諏訪廣勝氏の長男。24歳で入社、32歳で代表取締役に就任。「房の駅」ブランドの店舗出店プロジェクトなどを手がける。2012年には千葉県優秀企業経営者表彰・優秀社長賞を受賞。

Q1 事業継承のきっかけは?

私は、父が創業した現在の会社を受け継ぐ事になったのですが、なんと言えば良いか、小さい頃から「そういうものだ」と思っていました。私が28歳の時に、先代が「あと3年で引退する」っていうのを定例会議で宣言したんです。実際は、それから4年かかっているんですが、その時私は「3年で実力を身につけられるように頑張ります」というようなことを言ったんです。ところが、後日談で先代から「実は、お前の他にリリーフがいた」と聞かされまして。前のめりになってあの発言をしていなかったら、そのタイミングで継げなかったかもしれません。とにかく、その時の私はやる気満々でいました。

Q2 事業継承して一番苦労したことは?

継承してからというよりも、その前の方が大変なことが多かったですね。28歳から32歳まで専務を務めていましたが、その時に色々な事がありました。その時の私の部下は、ほとんどが年上なんです。自分にまだそれだけの器がなかったので、指導・育成・指示・命令といった所で、苦労しました。

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Q3 経営者と従業員の
違いや魅力は?

自分の思い描いた事を実践出来るというのは、やはり大きいですね。専務時代に布石を打っていた「房の駅」のプロジェクトの2号店が社長に就任した次の年に取り掛かったプロジェクトなのですが、自分の考えやアイデアを反映させることが出来るということが経営者としての大きな魅力ですね。

❶千葉駅にオープンにした房の駅❷体験を大事にして、食とコトでつながるあたらしい世界をつくる❸落花生プロジェクト

Q4 挑戦しつづけられる理由は?

東日本大震災が発生したため、賞与が1ヵ月分しか出せなかった事があるんです。その時は、震災の影響とはいえ「情けないな」と思いました。社員が歯を食いしばって 頑張っている姿に触発されて、賞与を渡せた時の表情が何とも言えず…、賞与を渡した後に、僕の所に挨拶に来てくれたり、メールや電話をくれる人がいるんです。そんな時「頑張っていて良かったな」と思いますよね。それが自分の原動力に繋がっています。

Q5 御社の事業の魅力は?

社全体で、千葉県を良くして行こう、千葉のブランド力をより上げて行こうというのを真剣に考えてやっているというのが魅力です。今年、小川屋味噌店をグループ化したのですが、「なぜ味噌製造会社を買ったのか」と良く言われるんですね「うちは一貫して千葉の生産・製造・卸売・小売、この縦のラインをしっかりとやって行きたいから買ったんですよ」とお話しさせて頂いています。そういう活動の中で、千葉のブランド力を上げる一翼を担っているという想いを、皆が共通して持っている。それが当社の魅力です。

Q6 現在の事業ノウハウの基盤は
どこで培いましたか?

父が始めたビジネスのスタイルは、この時代になって限界に来ていると感じていて、直営店を出して小売に進出するしかない状況でした。色々な生産者の方と産物を取引している歴史が長いので、よく「諏訪商店(旧社名)は卸売をやめて小売業に進出するらしいぞ」みたいな事を言われていました。その上で、自分が一貫して取り組んで来たのは「卸売もちゃんとやります。でも、小売りもちゃんとやります」というスタイルなんです。やるしかないという状況の中で、今までの取引先へのフォローも綿密にやりながらノウハウを形成して行きました。

Q7 地域とのつながり、意義は?

元々は、観光土産の製造卸売だったので、一見のお客さんが多かったんです。大型の観光バスで来て買って頂いて帰る、つまりリピートしない。これは面白くないというか、本質的じゃないと思いました。「あの店に寄りたい」ではなくて、バスで連れて行かれちゃう。そういうのがすごく嫌で、「房の駅」を作る時は、地元のお客様に中心に来て頂こうというコンセプトで出店しました。よく驚かれるのが「観光のお客様がほとんどなんでしょう?」と聞かれるのですが、地元のお客様が8割以上で観光のお客様は少ないという話をすると、びっくりされます。そういった意味で、房の駅のブランドの成功のキーワードには、「地域」が欠かせません。

Q8 千葉県で起業する魅力は?

食に携わる方は特にですが、食材が豊富です。落花生や伊勢エビ、他にもたくさんありますよね。食材に関係のない業種でも、港があり空港がありという地の利というのは存分にあると思います。また、千葉県の方は全国でも観光土産に対する消費が大きいという特徴があります。1位が東京、2位が千葉。千葉は実力とイメージに大きな差があると思うんですね。そのギャップを埋めて行きたいと思って、「アキハバラ房の駅」の出店など、「千葉に来てもらう」のではなく「千葉を持って行く」という考え方でビジネスを展開しています。

Q9 これから起業を考えている方に
メッセージをお願いします。

本質を間違えないで欲しいです。お金儲けのためだけに視点を置かない。もちろん、利益がないと継続しないですが、「何が儲かるか」という気持ちで起業するのはいけないと感じます。私たちは、千葉を日本一、いや世界一の観光地にして行こう、千葉の地位を上げていこうという想いでやっているのですが、何をやりたくて起業するのかがしっかりしていないと、うまくいかないと思います。

好きな漢字は?

「 道 」
「道」って古典的にいうと原理原則的な意味があるので好きです。あとはアントニオ猪木さんの言葉ですね。

影響を受けた本、おすすめの本は?

社長学シリーズ/一倉定 著
28歳のときに読んで経営計画について考えるきっかけに。ジャック・ウェルチやスティーブ・ジョブスの著書も読みました。

オンとオフの切り分け方は?

旅行です。今年は鎌倉や北海道に行きました。古事記に沿って、ゆかりの地を訪れる旅行も好きですね。

千葉で注目している起業家、経営者は?

ボンメゾンを展開している株式会社フローラ企画の浅野社長、株式会社協同工芸社の箕輪社長、カットオンリークラブを展開している株式会社オオクシの大串社長です。