株式会社 BAN-ZI 代表取締役 宮原 万治 Model06 株式会社 BAN-ZI 代表取締役 宮原 万治 Model06

発想の転換で常識を覆す。
進化する事を止めず、
ヒット商品を生み出す経営者。

【プロフィール】宮原 万治(みやはら ばんじ)

鹿児島県出身。土木・建設会社や塗料の受託開発会社などを経て、2010年1月に株式会社BAN-ZIを設立し、社長に就任。自社商品「サビキラーPRO」を取り扱うホームセンターは全国3,000店以上、塗料専門店や事業者からの注文も増え続けている。千葉ロッテマリーンズのホーム「ZOZOマリンスタジアム」や鴨川シーワールドなどでもサビ止めとして利用されている。2014年3月の「千葉元気印企業大賞」を皮切りにベンチャー企業として数々の賞を受賞。

Q1 起業のきっかけは?

私は昔から全部自分で事業を行ってきたのですが、失敗もしていて、現在の会社の前にふたつ会社を潰しています。株式会社BANーZIは3回目なんです。それでも塗料の開発は昔から得意分野だったので、継続していたのですが、結婚をして長女が生まれるのをきっかけに「そろそろやろうか!」と思ったという、非常に単純なきっかけだったのです。

Q2 起業して一番苦労したことは?

商品が全く売れなかったことです。新しい商品なので「マユツバもの」「こんなもん誰が使うの?」だとか言われました。毎日、売って歩くのですが、全く売れないわけです。資金調達についても、過去に会社を潰していますから、金融機関は門前払いで貸してくれないので、イチかバチか保証協会に直接、保証をもらいに行きました。そうすれば銀行も貸してくれるだろうと思ったからです。普通なら考えられませんが、なんと保証が出たんです。それで銀行から300万円ほど融資してもらいました。

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Q3 経営者と従業員の
違いや魅力は?

私は何処かに勤めた経験が無いのですが、今でも大手企業に勤めて出世したいという願望や結果を出す自信はあるんです。経営者と雇用される側との差と言うと、やはり経営者は全責任を負わなければなりませんから、その責任を全うする気持ちがあるかどうか、というのが大きな違いなのではないでしょうか。勤め人は悪く言えば自分の事だけ考えていれば済む話なのですが、経営者は自分の事よりまずは社員ですね。彼ら自身の人生も抱えてるわけですから。だからこそ経営者は夢が語れるんだと思うのです。それを周りに共感して貰って、応援も頂いてるわけなんです。それが一番大きな魅力だと思います。

❶❷大ヒット商品「サビキラーPRO」。サビを予防するという従来の塗料の常識を覆し、サビの上から塗ることでサビを止める画期的な商品として、様々な場面で使用されている ❸技術が認められ「九都県市のきらりと光る産業技術」として表彰を受けた

Q4 挑戦しつづけられる理由は?

挑戦しつづけられる理由イコール壁ですね。人間が成長するのに何も無いと成長できない。壁があるから成長出来る。壁が無い人は成長できないと思います。「壁よ、もっと来い。大きな壁よ、もっと来い」です。それを乗り越える度に自分が成長出来るわけですよね。壁があるから皆やるんです。壁が無い人は何もやらないです。成功している人は諦めなかった人なのです。諦めた人は成功しない。「あと少し、あと一歩で成功出来たのに」。そこでの見極めは大事です。いつ花咲くか分かりませんからね。

Q5 御社の事業の魅力は?

例えば、物を仕入れしてそれを売るとなると、メーカーでないと自由に売れないという事があるんです。メーカーにこだわった理由はやはり自分の作ったものを自由に売りたいからなんです。だからメーカーになるしかないのです。そういう事はメーカー以外、出来ませんから。販売店などは規制があって、自由が利かないですが、我々メーカーは好きなところに販売できます。そこが魅力です。

Q6 現在の事業ノウハウの基盤は
どこで培いましたか?

全くのゼロベースから構築しました。海外で勉強もしたし、分からない事はとことん調べまくりました。あとは専門家に聞く。私は昔から読書が大っ嫌いで、目次しか読みません。でもまれに、この本の著者は誰かなって気になるんです。一生懸命探して会いに行ったりします。それは読むよりも会った方が早いからです。この塗料を作るのに、「どうしてもここが出来ない。自分の知識では無理」という時に、私は化学の専門家に会いに行く。そんな18年間の結果が現在です。でも、まだまだ途中。もっと改良ができると思っています。

Q7 地域とのつながり、意義は?

千葉で起業してから、色々な賞を頂きました。それによって千葉市や千葉県の機関より会社経営に有利な情報やご提案を頂いて、様々な箇所でサポートをしていただきました。特に弊社は千葉市に拠点を設けているので、千葉市長をはじめ市の方々にはいつもご支援を頂いております。その分、弊社は自社製品を国内、世界に拡販し、千葉を代表する企業として成長することで恩返しをしていきたいと思っています。

Q8 千葉県で起業する魅力は?

千葉県の良いところは東京ほど企業数が多くないので会社の個性を発揮しやすい、というところではないかと思います。東京へのアクセスもしやすいし、東京にいるよりも逆に自由度が増し発想が豊かになれる気がします。千葉で起業して初めてそれを実感しました。東京都内の方から見ると「田舎」とかいうイメージもありますが、大きい家に住んで家族と一緒にご飯を食べられる生活を実現できるのは、千葉に住み、起業する魅力のひとつだと思います。

Q9 これから起業を考えている方に
メッセージをお願いします。

世の中に天才はいないんですよ。好きになった人が結局成功すると思うんです。成功に近道は無いですから。イチローも毎日同じ練習を地道に繰り返していますよね。特別な事をしてるわけじゃないんです。毎日、同じこと、基本的なことを淡々と繰り返す。好きだから継続していけるのですよね。それができるのが天才だと思います。だから起業する上では好きな事をやれば良い。思うままにやれば良いと思います。

好きな漢字は?

「 万 」
「万」という字ですが一に特殊塗料の開発・製造、エ 力と書きました。

影響を受けた本、おすすめの本は?

基本的に本は読まないです。本読む事が大キライなんですよ。歴史書だったり兵法を読む方多いですが、本は知識じゃないですか。機会や環境で学ぶのが知恵だと思うんですよ。その時代に生きて、知恵を使って成功したから後で本になっただけであって経験をしなければ知恵はつかないと思います。

オンとオフの切り分け方は?

オフという感覚がわからないです。人生の大半は仕事だと思っていて。
壁がないと人は成長しないじゃないですか。自分は常にハードルを探していて頭は仕事から離れられないですね。

千葉で注目している起業家、経営者は?

千葉だと、株式会社リプラウドの原社長です。原さんとは出会って1~2年程なのですが今仕事はほとんど一緒にしています。
仕事をする上で想い入れがないといい仕事はできなくて。その想い入れが原さんにはありますね。