遠藤 一平
遠藤 一平

先代の会社を成長に導き
自身のブランドで業界に革命を起こす

中古マンション販売およびリフォームをプロデュースする「中古マンションあるある情報館」、ママ目線での家づくりをテーマとした「ウィズママの家」といった国内事業を中心に、韓国、ベトナムでのマンション・戸建住宅事業を展開。ママたちの意見を積極的に取り入れ保育園事業にも参入している。遠藤氏が社名に込めたのは「現状に満足する事なく次の一歩を踏み出す」という、情熱とチャレンジ精神にあふれた想いである。

<プロフィール>遠藤 一平

1978年、東京都出身。大学2年時に宅地建物取引士の資格を取得し、大学3年時には住宅販売営業を経験する。大学卒業後は大手ハウスメーカーでキャリアをスタートさせ、父親の経営する東日本建設株式会社へ入社。訪問営業の成績を着実に伸ばし、会社を急成長させたのち2010年に事業を承継。同年、ネクスト ワン インターナショナル株式会社を自身でも立ち上げ、注文住宅「ウィズママの家」ブランドや中古マンション販売事業を手掛ける。

Q1 起業のきっかけは?

 ひと言でいえば、不動産業界を変えたかったんです。息子の使命として父が作った東日本建設というブランドを守りながら自分の城を持って不動産業界に名を残したい、というのが本音です。大手ハウスメーカーで数年間お世話になってから父の会社に入り、年間の契約数が100棟に届いたときに「僕の使命のひとつは果たしたかな」と。自分でもやりたいビジネスモデルがあったので、そのタイミングでネクストワンインターナショナルを立ち上げました。

Q2 起業して一番苦労したことは?

 会社を始めた当初はリノベーション事業が中心でした。業界では知名度もありませんし、会社をまわす金も正直あまりありません。スタッフは東日本建設から精鋭を5名ほど連れてきましたが、やはり知名度を上げるのに苦労しましたね。それで社名を売っていくのではなくブランディングに力を入れるようにシフトさせ、「ウィズママの家」事業をスタートさせました。

Q3 経営者と雇用される側の違いや魅力は?

ひと言でいえば責任の重さがまるで違います。事業、人、金などすべての責任が経営者にかかってきます。ですが私にとってはそれが魅力であり、醍醐味です。やめたいと思ったことはありません。
経営者になることによって見えてくる世界があります。安穏ではありませんが、常にワクワクする気持ちを持って挑むことができる世界です。

Q4 挑戦しつづけられる理由は?

夢があると、どんな障壁も乗り越えられます。夢があるから苦難は気にならない。
その根底にあるのは、過去に自分が努力をした、逃げずに頑張った経験ではないかと思います。努力をすれば夢は実現する。でも、実を結ばない努力もあります。どんなに頑張っても駄目なこともある。そこでいかに理不尽な努力を積み重ねることができるか、やり通すことができるか、それが自分の力になります。
夢を持つことと同じくらい大切なのは、心と体を鍛えること。ギリギリに追い込まれたとき、最後にものをいうのは精神力と体力です。

ミーティング風景
千葉の中古マンションを扱う「あるある情報館」にて
若手社員とのミーティング

Q5 御社の事業の魅力は?

 今、当社が手掛けている戸建事業、マンション事業、海外事業それぞれに魅力があります。戸建事業は徹底的にママ目線。建てたあともママたちからいろんな意見をいただき、それを新しい事業に取り入れています。
マンション事業は今後リフォームの需要が高まるのが分かっていますから、「あるある情報館」を拠点に中古マンション市場を変えていきたい。近い将来、都内でも同じような仕組みを作って都内の市場にも新風を起こしたいと思っています。そして海外事業ですが、既に韓国とベトナムに現地事業所を立ち上げていて、来るべき戸建住宅ブームをけん引していく存在になれればと考えております。

Q6現在の事業ノウハウの基盤はどこで培いましたか?

 基本的には、学生時代にピザ屋や警備員のアルバイトをしている僕を見た父から「本当の営業の仕事を教えてやるからうちで働け」と言われ、訪問営業したときのノウハウ。それと、大手ハウスメーカーに在籍していたときの知識と経験ですね。
「ウィズママの家」をスタートさせて以降はママたちの声に助けられています。定期的にママ座談会を開いて家づくりのための意見を出し合ってもらい、良いものは現場にフィードバックしていきます。ママたちはアイデアの宝庫ですよ。神です!「ウィズママ保育園」もそのひとつですね。最初は「ウィズママの家市原店」に託児スペースを作りました。子ども連れのパパママに「打ち合わせがスムーズにできて便利だ」と評価をいただくようになり、それなら保育士の資格を持つママたちの雇用も生み出せると思い、保育園を設立しました。

Q7 地域とのつながり、意義は?

僕らにとって地域とはオーナー様の事で、年に1回大きなイベントを開いてオーナー様をご招待しています。ほかにもヨガ教室や英会話教室などを自社の会議スペースを利用して行っています。オーナー様同士のコミュニケーションの場にもなりますからご好評いただいています。そうやって、いずれはカフェとか…オーナー様だけではなく、地域の方々にも喜んで、楽しんでもらえるインフラを構築していきたいと考えています。

Q8 千葉県で起業する魅力は?

千葉という土地柄、東京へ働きに出る方や起業する方が多いですよね。だから千葉で起業したらすぐに注目してもらえるというか、トップに登れると思います。千葉で基盤を作ったうえで東京に進出するとなった場合、すぐに行ける距離・立地であるのもいいですね。
それに地代や物価が安いというのも起業するには良い環境だと思います。

Q9 これから起業を考えている方にメッセージをお願いします。

 まずは今いる会社で圧倒的な成果を上げてください。それこそ社長から「出ていかないで」と言われる存在になってから起業すべきです。既に人がやっている事業ではなく、新しいアイデアで社会や千葉に貢献できる事をやってほしいですね。お金儲けは二の次です。まずは志とアイデアが肝心です。
僕自身もうちの会社から10人の社長を輩出するのが目標です。たとえば僕が200棟の目標を掲げたときに300棟の結果を出し、さらに僕も舌を巻くくらい斬新なアイデアを生みだす人がいたら「社長になってくれ」と言うかもしれません。

好きな漢字は?

この言葉には僕なりの定義があって“相手の願望を叶える”という意味。オーナー様に愛を、社員には成長の場という愛を与えるのが使命です。

影響を受けた本、おすすめの本は?

『アメーバ経営』稲盛和夫 著
海外に行くとき機内でよく読書しています。社内の各事業を成功に導くにはそれぞれのリーダーを育てるのが肝で、すごく参考にしています。ほかにも自己啓発や計画達成系の本などをよく参考にしています。

千葉で注目している起業家、経営者は?

「株式会社エフ・ピー・ジャパン」の宮嵜勝己代表です。長年お世話になっていて、必要なときに説教や気づきをもらっています。経営に関する良きアドバイスやアイデアを与えてくれる、僕がもっとも尊敬できる経営者の先輩ですね。

オンとオフの切り分け方は?

ないですね、常にオンです。日曜日に娘と遊ぶときだってずっと携帯をもっています。僕は布団に入るとアイデアが湧くタイプなので寝るときも携帯を握っていて、何かひらめいたらすぐ自分のPCにメモ書きをメールしておきます。

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