「テクノロジーで世の中を変えたい」
企業のDXを
ワンストップで支援する
- 株式会社ディマージシェア
代表取締役社長 大内 慎
(おおうち しん) 千葉県浦安市出身。インターネットで世の中を変えられる事業をしたいと1999年に起業。システムソリューション事業をベースに、iモード向けのグループウェアサービスを皮切りに、モバイル・ブログのCMSサービス、ネット広告の収益・効果を最大化するクラウドサービス『admgae®』などを展開。現在はさまざまな企業におけるDX推進にあたり、企画から開発・運用までワンストップで支援する「インテグレーションサービス」と自社クラウド製品による「クラウドサービス」を提供している。
起業のきっかけは?
もともと、社長になろうという考えは1ミリもありませんでした。Windows95が発売されてインターネットに触れたとき、「これは世界が変わる」と直感したのを覚えています。ITが好きでプログラマーとして就職したのですが、社会に出て、世の中には圧倒的に優れた技術者がいることに気がつきました。それに比べると、自分はトップエンジニアにはなれないのだなと思ったのです。では自分はどういう道で戦っていけばいいのか。エンジニアとして、自分の武器としている技術に加え、人に伝える仕事ができればと考えました。前の会社の先輩で独立した方と、20代でベンチャーを立ち上げた方に会う機会があり、それに刺激を受けて経営者という道を選びました。
起業時で一番苦労した事や
ターニングポイントなどを
お聞かせください。
「自分も立ち上げに参加するよ」と言ってくれた創業メンバーは、私含めて3名。3年間かけて3人で資本金1,000万円を貯めました。しかし、エンジニアが3人集まりましたので、営業出身と違って人脈がありません。フリーランスとして仕事を貰っていた会社から継続して受注をいただいてはいましたが、20代半ばの若者が起業しただけなので、強みとして企業紹介に書けることがない。食べるためには仕事をしなければなりませんが、その仕事を選べない状況で、思い出したくないような嫌な思いをすることもありました。1日も早く自社のオリジナルのサービスを作らなければと、土日を使って開発作業を行っていました。「下請けを脱して元請けになろう」という一心で仕事をしていましたね。
起業家・経営者と雇用される生き方の
違いや魅力は何ですか?
サラリーマンと違って経営者は、自分ですべての意思決定ができるというのが大きな違いです。意思決定に際しては、不安や恐怖、大きな責任も伴いますが、使命感を持って乗り越えていく。それが醍醐味になっていると思います。迷ったときは、やはり会社のビジョンに立ち返ります。「これは本当にうちの会社がやるべきことなのか?」「50年、100年存続する会社になるために、必要なことなのか?」ということを常に考えていますね。モバイルや広告という分野に強い開発会社があると知られたのが会社の転機になりましたが、時代の変わり目をうまく捉えられてきたと思います。それはやはり経営的な判断、意思決定でした。機を逃さず自分たちから発信し、リード顧客を見つけてきました。
【事業内容1】
「収益化DX」を事業ドメインとし、経営革新/事業創造のファーストパートナーとしてDXの構想/設計/開発/運用をワンストップで支援。
【事業内容2】
Web広告事業に必要となる機能を備えた総合広告配信システム「admage®」は累計および年間でのパッケージ売上及び導入社数 1位(東京商工リサーチ、2021)。
『“人間中心のDX”を実現するために
どうテクノロジーが寄り添うか
注目しています。』
ビジネスを通して、解決したい社会課題や
地域課題についてお聞かせください。
DXは国全体の課題ですが、現代はテクノロジーの必然性や便利さばかりが問われる時代ではなく、いかにそれが共感を生むか、人間社会にとって意味があるものなのかを考える時代だと思います。「その技術は便利なの?」という問いから、「どれだけ有益なのか?」という問いへと変わってきているのですね。コロナ禍になってリモートワークが広まりましたが、距離感の捉え方は本当に変わりました。人間は環境によって左右されますので、外部環境が変わるなかでどのようにして新しい価値観を生み出していくかが問われると思います。そしてその価値観に、どうテクノロジーが寄り添うかを注目しています。“人間中心のDX”を実現するために、力を尽くしたいと思っています。当社の社名である『ディマージ』は、デジタルとイメージを掛け合わせた造語で、日本におけるインターネットの人口普及率が20%を超えた1999年に、デジタル社会の実現を支援していこうという願いを込めて「ディマージシェア」と名付けました。社会のデジタル化は社名の由来であり、当社の目指すところなのです。そんな私たちからすると、近年ようやくデジタルの必要性や認知度が高まったと思っています。そんなときに新型コロナウィルスが蔓延しました。コロナ禍はさまざまなマイナスの影響をもたらしましたが、良い面もあったのではと思います。たとえばリモートワーク。会社の場所や時間にとらわれない働き方ができるようになり、日本人が苦手な“カルチャーや価値観を一気に変える”という体験ができたのではないかと思っています。
あなたが考えるこれからの世の中や
目指す
社会について
ビジョンをお聞かせください。
もともと私たちは、iモードで使える無料のグループウェアをリリースし、それが評判になって顧客を掴んできたのですが、やはり変化を見逃さず新しい技術を発信するというのは今後も大切にしたいと思います。また、これは当社だけに限らないと思うのですが、千葉の顧客に対してやれることはもっとあるように思います。東京にいると、事業を立ち上げると当たり前のようにきめ細かな支援会社が付きます。一方で、千葉で起業しても支援してくれる伴走者がいなかったりする。まだまだ千葉はブルーオーシャンであり、支援会社を必要としている経営者は多いので、ビジネスのポテンシャルはたくさんあるのではないかと思います。当社としても力を尽くしていきたいですね。
千葉への想いや魅力について
お聞かせください。
生まれてから今までずっと千葉に住んでいます。千葉は大好きですし、美しい海や農作物もある。「じゃあなぜ東京で会社をやっているんだ?」と聞かれますが(笑)、東京に住むつもりはありません。子どもたちの生活を考えると自然が近くにあったほうがいいし、コンクリートだらけの東京に住むのは抵抗がある。東京に住む必然性がないなと思っています。現在はCIB(一般社団法人千葉イノベーションベース)というコミュニティを通し、千葉県から有力な起業家・企業を輩出し、県全体を活性化するお手伝いをしています。CIBは、会社の成功体験や仕組みをインストールし、共有していこうという団体。成長するためのメソッドや陥りやすい失敗は、知っていた方が効率的。それを学べる場がCIBです。
千葉のポテンシャルについて、
考えをお聞かせください。
私が東京で起業したときに比べ、“物理的に東京でなくてはならない”という必要性がかなり薄くなりました。仲間や支援者が千葉にいるようであれば、それだけで千葉にいるメリットがあると思います。馴染みある土地で腰を据えてビジネスをするというのはとてもいいことだと思いますよ。ただ、情報格差という意味では東京と千葉にギャップがある。まだ千葉にはタイムラグがあるのですが、これはむしろチャンスと捉えて、競合がたくさんいる東京ではなく、千葉で小さく確実にビジネスをスタートさせていくと良いと思います。繰り返しますが、まだまだ千葉はブルーオーシャンで、新しくビジネスを始めるチャンスはいっぱいあります。ぜひとも頑張ってほしいと思います。
これから起業を考えている方や
起業間もない
経営者へメッセージを
お願いします。
起業を迷っているならば、迷わず決断したほうがいいと思います。今の苦労は数年後に必ず武勇伝になる。むしろ、美談になったときにどう面白く語ってやろうか、どれだけ笑いをとってやろうかとイメージトレーニングをしてください(笑)。私も創業当時、下請けとして経験した苦労は筆舌に尽くしがたいものがありますが、今はすっかり笑い話です。起業家はよく孤独と言われますが、なぜかというとそれは答えがないから。自分の振り返りをアウトプットし、他者と共有するだけでもだいぶ違うと思います。私が参加するCIBでは、会社の成功体験や失敗を共有し、共に強くなろうという団体。こういう場に加わって、先輩経営者に判断を仰ぐのも有効だと思います。
- 会社名
- 株式会社ディマージシェア
- 電話番号
- 03-5210-0120
- 現在の資本金
- 6,480万円
- 現在の年商
- 18億円
- 従業員数
- 97名(連結128名)
- 業 種
- IT・通信
- 事業概要
- デジタルソリューション事業
- 所在地
- 東京都千代田区飯田橋1-5-10
教販九段ビル6F
- 好きな漢字は?「創」
- あらゆるものを創造し続けるのが起業家。会社を続けるのも、辞めて新たなスタートラインに立つのも、どちらも創造的なことです。
- オンとオフの切り替え方は?
- ここ10年ぐらい、週2回ほどウェイトトレーニングを続けているのですが、自分の心身を追い込むこの時間が最も仕事のことを忘れられます。
- 影響を受けた本は?
- キングダム/原 泰久 著
- ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則/ジム・コリンズ 著
- HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか/ベン・ホロウィッツ 著
- DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール/ビル・パーキンス 著
- 千葉で注目している起業家、経営者は?
- 株式会社オニオン新聞社
代表取締役社長 山本 寛さん - 株式会社WDC 代表取締役CEO 上石 泰義さん
- 株式会社オニオン新聞社
- 生年月日
- ………………
- 1971年3月29日
- 起業年
- …………………
- 1999年
- 起業スタイル
- …………
- フリーから
- スタートメンバーは
- …
- 友人・知人