株式会社 ツインズ 代表取締役 梶原 隆司 Model05 株式会社 ツインズ 代表取締役 梶原 隆司 Model05

「人がすべて」をモットーに社内
人材育成と顧客のニーズを捉え、
事業を発展に導く経営者

【プロフィール】梶原 隆司(かじわら りゅうじ)

東京都練馬区出身。家電部品メーカー勤務を経て1999年4月に創業し、社長に就任。前職で築いた人脈を活かして、中国に工場がある香港や台湾系資本のメーカーが生産した家電製品を日本国内で販売。国内マーケットのニーズを踏まえて商品開発を継続し、生まれた商品「結ばない靴ひも キャタピラン」は大ヒット商品となった。

Q1 起業のきっかけは?

もともと起業したいという強い目標はありました。しかし、働いていた家電部品メーカーが倒産してしまったんです。それを契機に独立。それから、香港、中国工場の立ち上げスタッフだった頃の人脈を使い、香港系中国家電工場から調理家電を輸入して販売を始めました。当時は仕入れの為の資金も無い状態でしたが、香港のメーカーの社長に「支払いは売れてからで良い」と言って頂いたので、設立当初も何とか回すことが出来ました。

Q2 起業して一番苦労したことは?

創業時は「創業時ご祝儀」のような取引先からの協力もありましたが、4年目以降、それも途絶えてしまいました。その後、オイルヒーターのオイルの代わりに水を使った「アクエーター」という暖房機をヤマダ電機400店舗で販売させていただきましたが、当初は20000台仕入れして1000台しか売れなかったのです。最終的に全て販売するのに5〜6年掛かり、その間の資金繰りには苦労しましたね。当時は銀行さんもなかなかお金を貸してくれませんでしたしね。

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Q3 経営者と従業員の
違いや魅力は?

一言で言うと、やはり「人」ですね。すべてを司っているのは自分なので、人材が悪いという事の責任は基本的には自分自身にあると考えます。部下にやる気を持たせ、経営者として彼らから100%以上の力を引き出す事ができるかどうか。それは自分たち経営者にとって一番難しい課題だと思います。私も会社経営を19年継続していますが、叱咤激励や鼓舞したりする事のバランスは未だに難しいと感じています。しかし、できなかった事が少しずつでも可能になる事が、やり甲斐に繋がっていくと思うのです。

❶❷大人気商品「結ばない靴ひも キャタピラン」。等間隔についたコブ状のふくらみとゴムひものような伸縮性が特徴の結ばない靴紐で、現在は海外へも市場を広げている❸「千葉元気印企業大賞」等、県内でも数々の賞を受賞

Q4 挑戦しつづけられる理由は?

私は何かを達成する事が大好きです。基本的にとても負けず嫌いなので、変な意味で折れたりしない。もちろん、失敗もたくさんありました。大きな失敗はしないように常に心掛けていますが、失敗しないと勉強できない事って結構多くて、失敗する事で自分が成長できる事もあると思います。最初は慢心もありました。自分は社長なので、周りに誰も注意してくれる人がいないわけですから。そういう存在の人が欲しいと思った時もありました。しかし、結局は自分自身が経営者として自家発電して燃え続けなければいけないと思うのです。

Q5 御社の事業の魅力は?

弊社は日用品販売に特化していますので、景気が悪い時の方が売れる商品があるのです。例えば、外食を控えて家で食事をする代わりに、ちょっといい調理家電を買おうかとか。そういった「不便を利便に変える」という事を言い続けています。そこからスタートして「キャタピラン」という商品が生まれました。それを機に、私は弊社の業態を「健康産業」と言っているのですが、現在は従来の暖房機・調理家電などの販売商品内容も含めて会社自体をシフトさせている最中です。会社スローガンも「暮らしを元気に」と書いています。「日本人の元気に寄与するツインズ」ということです。

Q6 現在の事業ノウハウの基盤は
どこで培いましたか?

ノウハウと言うか、常にコスト意識を持っています。私は出張に行く際はビジネスクラスには乗りません。出張は利益を上げるために行くわけですから、コストアップするものはその考えに反していると思うからです。社員に対しては、出張はどんどん行かせていますが、出張先では効率良く回れと言っています。「せっかく大阪へ行くのなら、3〜4社は回って、できれば泊まってこい。泊まった翌日も回ってきなさい」と。

Q7 地域とのつながり、意義は?

弊社所在地の船橋市はアメリカ西海岸のヘイワード市と姉妹都市になって今年でちょうど姉妹都市提携30周年となりました。弊社自体も東海岸の方に合弁会社を作って靴紐販売を実施する等、アメリカにもかなり受け入れられてきましたから、船橋市の市長や商工会議所会頭にご同行していただき、ヘイワード市の市長にお会いして、地元での宣伝活動を依頼しています。

Q8 千葉県で起業する魅力は?

千葉県は海産品とか特産物が多いのは良い事ですし、私自身、外国人の接待には東京ディズニーランドを使用したりしているなど、色々な意味でとてもバランスがとれている県だと思います。郊外型店舗も多く、効率良く営業ができますね。うちのような千葉拠点の流通業には最適だと思います。東京から出て来るのは大変ですからね。また、地価が安いのもコスト面で有利です。そして、なにより通勤時間が短いのは良いですね。満員電車で過ごすあの通勤時間って正に「死んでいる時間」ですから。

Q9 これから起業を考えている方に
メッセージをお願いします。

経営というのは非常にやり甲斐のあるものだと思います。教科書もゴールも無いし、常に勉強しなくてはならないのですが、そういう意味ではとてもやり甲斐があります。即ちそれは、裏を返せば経営者は本当に孤独な職業という事でもあるのです。苦しい面もたくさんあります。しかし、得られる達成感は、普通に会社勤めをしている場合より遥かに大きいと感じます。「ダメだったら会社勤めに戻ろう」などと思っている人は起業しない方が良いと思います。独立したなら、そのまま突っ走って欲しいですね。

好きな漢字は?

「 気 」
健全な気持ち、ポジティブな「気」を持つことはビジネスの基本だと思います。「気」の持ち方次第でどんな試練でも乗り越えられると思います。

影響を受けた本、おすすめの本は?

「ハリーポッターシリーズ」/
J・K・ローリング 著

昔から本を読むことが嫌いだったのですが、人に勧められて読んでみたら面白くて。映画じゃなきゃわからないと思っていたのですが、内容も翻訳も良くて入りこんですごい集中して読んでしまいました。本の楽しさを知りました。

オンとオフの切り分け方は?

朝が早くて夏場は6時頃に会社にきて仕事をしているんですよ。食べるのが好きで夜お腹が空くと残業できないので、できるだけ19時以降は会社にいない様にしています。仕事が終わったら仕事の事は考えないようにしています。

千葉で注目している起業家、経営者は?

不二公業株式会社の小原社長です。船橋の商工会議所の副会頭をやられているのですが、船橋市の為に頑張っている人間的にも尊敬できる方です。