「大好き」という事こそが事業拡大の鍵。
眼前の課題に柔軟に対応し続ける事で
企業規模を拡大するネイル界のパイオニア。

【プロフィール】松岡 華子(まつおか はなこ)

2005年に市川市本八幡にネイルサロン1号店をオープンした事を皮切りに、千葉・東京・神奈川を中心にサロンを続々とオープン。「ネイルを学びたい」という顧客の要望に応える形でスタートさせたネイルスクールもその規模を拡大。自らの店舗展開の際には、養成したネイリストを雇用するといったスタイルで企業規模の拡大を続けている。

Q1 起業のきっかけは?

元々ネイルが大好きで、お客さんとしてネイルサロンに通っていました。通っているうちに「自分でもネイルをやってみたい」と思うようになり、担当のネイリストに、ネイリストになるにはどうしたら良いのかを尋ねたんです。「まずはネイルの学校に行ってみたらどう?」とアドバイスを頂いたので、ネイルスクールに通い勉強しました。スクール卒業後はすぐに表参道のサロンに就職し、ネイルの経験を積みました。起業するきっかけになったのは結婚後です。結婚してからは違う仕事をしていたのですが、「やっぱりネイルをやりたい」という強い想いがあったので、仕事の合間にフリーでネイルの施術をするようになり、空き時間を見つけてはお客様を自宅に呼んだり、出張したりしてネイリストとしての仕事も並行して行っていました。しかし、自宅で施術をするとどうしても「生活感」が出てしまうので、「自分のサロンを持ちたい」と思うようになり、子供が3歳の頃にサロンの物件探しを始め、1店舗目をオープンする事になりました。

Q2 起業して一番苦労したことは?

女性の起業家にとって、子育てと仕事の両立は大変だと言われていますが、私の場合、子供が保育園に行っている時こそ一番時間が取れると思ったんです。起業当時は、子供を保育園に送り、その後お店のシャッターを開けて、18時になったらお店を閉めて子どもを迎えに行く、という毎日でした。子供が保育園で熱を出した時に大変さを感じたり、迎えに行くのがギリギリになってしまい、子供がおもちゃのハンバーグを咥えて待っていたのを見たりすると、「あぁ…ごめんね」という気持ちになりましたね。サロンの場所を探すために色々な不動産会社に行っても、全く相手にしてもらえなかった事もありました。1店舗目をオープンする時、銀行からどうやってお金を借りるのかも分からない、事業計画書の書き方も分からない、そんな状態だったので、美容室を経営していた私のいとこに色々と教えてもらいました。色んな事がありましたが、やはり私にとってネイルは「好きな事」なので、苦労と思った事はあまりないですね。

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Q3 経営者と従業員の
違いや魅力は?

経営者も従業員も、仕事をする事に関してその本質は変わらないと思います。本質としては「楽しい事を仕事にする」事が大切です。「経営者」として好きな仕事をするか、「雇用者」として好きな仕事をするかというだけの違いですね。好きな事は人によって違うと思うので、独立したり起業したりする事だけがすごいという訳でもないと思います。自分のやってみたい事やライフスタイルに合わせて、経営する側になるか、雇用される側になるかだと思います。

❶白とゴールド、ピンクを基調とした店内にシャンデリアが煌き、お姫さま気分になれる癒しの空間となっています❷ピアニストの生演奏を聴きながらネイルをお楽しみ頂けます(実施されていない店舗もあります)

Q4 挑戦しつづけられる理由は?

挑戦しているというより、やりたいからやっているという感覚です。とにかく「楽しい」から続けられるんだと思います。現状に満足する事はないので、目標をひとつクリアしたら、新しい目標を作っての繰り返しですね。それに、ティアラグレイスという会社に付いて来てくれるスタッフの皆もいる。スタッフを守っていきたいし、付いて来てくれたその期待に応えたいので「みんなの為に頑張ろう」という想いが強くあります。

Q5 御社の事業の魅力は?

ネイルって幸せになれるんですよ(笑)。指先という非常に小さな箇所ですが、ネイルをする事によって気分良く幸せでいられる。そして、そんなネイルをする技術を習得している事って素晴らしいと思うし、実際にネイルをさせて頂いたお客様もとっても喜んでくれる。この幸せをもっと広めていきたいなと思っています。

Q6 現在の事業ノウハウの基盤は
どこで培いましたか?

お店の経営の仕方や運営の仕方自体のノウハウの基盤は、表参道のサロンで働いていた事にあります。ネイルスクールに関しては、自分が通っていたネイル学校などを参考に始めていきました。ネイルスクールを始めたきっかけは、お客様に「ネイルを教えて欲しい」と言われた事です。サロンが増えていったのも、スクールでネイリストが育ち、育ったネイリストの働く場所を作るために新しい店舗をオープンさせる、という事の繰り返しです。戦略的にというよりは、自然発生的に事業が拡大していったような感じですね。

Q7 地域とのつながり、意義は?

地元の商店会に参加し、地域の経営者と交流を持ったり、同友会などで先輩経営者のお話を伺ったりしています。起業される方は、そういったコミュニティでの繋がりは本当に大事にした方が良いと思います。その街で認めてもらう事、それは協力をし合うという事ですから。こういった活動は非常に重要だと思います。

Q8 千葉県で起業する魅力は?

東京は、ネイルサロンの数も非常に多く、過当競争の時代に突入してしまっています。しかし、千葉ではまだ商圏があるのではないかなと思っています。まだまだ発掘され尽くしていない新たな商圏を見つける事ができる場所だと思いますね。

Q9 これから起業を考えている方に
メッセージをお願いします。

やはり、儲かるからという動機ではなく「自分が本当に大好きな事」をやった方が良いと思います。もちろん利益を得る事も大事ですが、自分が好きな事ならどんな事があっても続けられると思います。それに加えて、私は結構行動力があるタイプなんです。思い立ったら即行動。ひとつアクションを起こせば、何かに繋がっていくと思います。考えているだけでは、そこまでになってしまいます。思い立ったら何かひとつでも行動に移してみると良いと思います。

好きな漢字は?

「 優 」
「優しい」という事は大事です。優しい人間でありたいし、自分も人から優しくされたいですよね(笑)

影響を受けた本、おすすめの本は?

「思考は現実化する」ナポレオン・ヒル 著
「物事は考えている通りになる」。本当にそうだと思います。
「引き寄せの法則」「強運」「成功脳」斎藤 一人 著
すべて前向きに、マイナスな言葉を使わない、とにかく真面目にやっていくという考え方に共感。

オンとオフの切り分け方は?

とにかく仕事が楽しい!
仕事が楽しいんですよね。やっている事が苦ではないので、いくらでもできてしまいます。休んでくださいって言われるんですけど(笑)。休んでリフレッシュすると更にパワフルになって帰ってくるから、多少は風邪や病気でいてくださいってスタッフに言われます(笑)。それくらい仕事にワクワクして取り組んでいます。

千葉で注目している起業家、経営者は?

株式会社 サイゼリヤ
代表取締役会長 正垣 泰彦さん
思い立ったら即行動派の方ですよね。同じ同友会に入っているのですが、とても尊敬している方です。まじめで熱い想いを持った方ですね。こういう方だからこそ成功されたのかなと思います。