「ワクワク」がビジネスの原点。
田舎でできるビジネス成功の鍵は
千葉が生み出す豊かな野菜にあり。
【プロフィール】株式会社 フルフィルアセンション 取締役 富澤 奈美(とみざわ なみ)
2015年7月から野菜を使ったかき氷を販売する店舗「山猫」をスタートするにあたり、休眠していた有限会社フルフィルアセンションを再始動。 「野菜ソムリエ」の資格も持ち、千葉の旬の野菜をふんだんに使用した独創的なかき氷は、「ほかにはない!」と多くの消費者の心を掴んでいる。Q1 起業のきっかけは?
結婚して養老渓谷に越して来てから、「田舎でできることが何かないか」と思っていた中で秩父にある製氷所を訪問する機会がありました。 その時に「これなら、養老渓谷でできるのではないか」とピンと来たというのと、私自身、「野菜ソムリエ」の資格を取るほどの野菜好きなので、氷と野菜をコラボレーションした事業を起こそうと決意しました。 既に他所でやっている事業は面白いと思えないので、私なりに考えた“完全オリジナル”なものを目指そうと思ったのです。Q2 起業時に一番苦労したことは?
養老渓谷のある千葉県夷隅郡は、周辺地域一帯が過疎地なので、とにかく求人募集に対する反応がシビアだという点です。 最初は私がひとりで店を回そうと思い、券売機を設置して人手の削減を図ったりしていたのですが、徐々にお客様の数も増えて来るといよいよ手が回らなくなってしまい求人募集を何度かかけたのですが、 人が集まらないんです。その後、事業が周囲に認知されるようになってからは、その問題は解決したものの、しばらくの間は息つく暇もないほど忙しい日々が続きました。
Q3 起業家・経営者と雇用される生き方の違いや魅力は何ですか?
私の考え方の中に「1日1つずつ、閃いたことを実行すれば、365日目には大きな変化になっている」というのがあります。 思い付いたアイデアをすぐに実行できるという点が大変な魅力と捉えています。収入も、自分の行動次第でいくらでも変わってきます。何度でもチャレンジできる、自分が休みたいときは思い切り休んだりと、時間の自由があるというのも私に合っているな、と思います。
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❶野菜ソムリエ氷 自然栽培 カラフルトマトバジルアガベソース付き 袖ヶ浦市 しまむらガーデンさんと山武市産 プクファームさんのトマトを使用しています。 ❷養老渓谷産 巣蜜はちみつソフトクリーム
Q4 その上で、挑戦しつづけられる理由は何ですか?
私にとって「仕事は遊び」なんです。つまり、楽しいことでなければ没頭できない。この「没頭感」というのが大切なんです。嫌々やっている仕事なら、疲れたとか、いろいろな理由をつけて怠ける癖が出て来ます。しかし、好きなことならいくらやっても疲れないですし、「もっといい方法はないか、もっと良くできないか」といった向上心も自然な形で出て来ます。私は仕事は楽しんでやるべき、と考えます。Q5 現在実施されている事業の魅力は何ですか?
先述の通り、野菜好きの私にとって「千葉」という農業が盛んなところで、好きな野菜を使って事業を展開していることがとても嬉しく、楽しく、それが1番の魅力です。更に、近いコミュニティの中で生産者さんと直接つながることで朝採れ野菜を手に入れることが可能になり、都心では真似ができない新鮮な商品開発が可能というところも魅力を感じているポイントです。Q6 現在実施されている事業の魅力は何ですか?
私が29歳の時の話なのですが、父から電話で「あと半年で店が潰れる」と言われました。父は私が中学生の時に脱サラし、居酒屋を経営していたのですが…、「なら、私が店を受け継ぐ」といって突如、飲食店の経営を始めることになりました。赤字続きだった店の仕入れコストや接客などを見直して赤字を1ヵ月で黒字化し、6年で売り上げを4倍へと伸ばしました。その時の経験から、仕入れの方法や接客業のいろはを学び、その後も経営の基盤となっています。Q7 地域とのつながりはありますか? その意義は何ですか?
店舗で使う食材は生産者の元へ訪問して直接仕入れています。また、メニューには、必ず生産者の情報も一緒に発信するよう心がけています。微力ながら、こういった活動を通じて生産者や地域に暮らす方々に貢献できたらと考えています。Q8 ちば起業の魅力は何ですか?
食材が豊かなところは、私のビジネスモデルにはもってこいです。南北に広い県の形から、南房総では南国のフルーツも収穫できるなど、生産者さんも新種や変わり種の野菜やフルーツ栽培に力を入れていたりします。こういった開発意欲旺盛な方々が多く、面白い食材がたくさん手に入ることは、商品開発する私にとって、大きなメリットになります。Q9 これから起業を考えている方にメッセージをお願いします。
働いていた方が楽だとは思いませんか?起業した初期はとても大変ですし…。「その大変さを受け入れる覚悟がありますか?」とご自身の心に問いかけてみてください。その上でなお、起業を目指すというのであれば、「こんなものがあったらいいのに」というものを形にすると良いと思います。また最初は小規模から、徐々に事業を拡大していくことをお勧めします。自分が最終的にどこまでやりたいのか、というのをしっかりと決めてからスタートするというのも大事です。