「ワクワクを形へ」ビルメンテナンス業を軸に時代に挑む経営者。
Prostyle株式会社 お客様係&代表取締役 飯田 栄(いいだ さかえ)
学生時代のアルバイト先の社長から新規事業立ち上げ時に誘いを受け、ビルメンテナンス業界へ転職。10年程、中核を担う社員として活躍後独立し、2005年9月、有限会社Prostyleを創業・設立。ビルメンテナンス業を中心に鳥害対策工事やセミナー事業を展開。2019年7月、Prostyle株式会社に社名変更。従業員の作業着をデニムにするなどユニークなアイデアで評判を呼んでいる。今後は、清掃事業だけでなく、新型コロナウイルス状況下に強いビジネスモデルを構築する飲食業や地域の利点を生かした農業に参入予定。Q1 起業のきっかけは?
学生時代のアルバイト先の社長がビルメンテナンス事業を始めるときに誘いを受けて、ビルメンテナンス業界に入りました。中核を担う社員として10年ほど勤めた頃、安定した経営に会社自体が満足をしていると感じていましたが、10年後、「果たしてこの会社は成長しているだろうか」と考えるようになり、働き盛りの30代に突入していた私は、さらに事業規模を拡大し攻めの姿勢で働きたいと思っていましたので、現場だけでなく営業でも結果を出した後、独立の意志を固め退職。その半月後の2005年9月に起業しました。Q2 一番苦労したことは?
起業当初は前職の会社から受注の多くをいただいていましたし、経営面でも現場作業、営業、経理を経験していましたので、起業から軌道に乗るまで苦労はありませんでした。壁にぶつかったのは起業して5年後です。当時は、来るものは拒まず受注し、安価な案件も当社が機械化して対応していました。また、当時のビルメンテナンス業界は昼夜問わず作業にあたることが当たり前で、従業員の不満が溜まっている状態でした。その状況を打破するため、下請け業態を見直し、受注の方向性を変革していきました。Q3 起業家・経営者と雇用される生き方の違いや魅力は何ですか?
経営者と雇用される生き方の違いは「自由」です。この「自由」とは、会社の発展のため新規事業の立ち上げや仕掛けを生み出し采配することができるという意味です。雇用される側にも「自由」の程度はあります。生き残ることができる人は「自分で何かを生み出すことができる人」「自分で価値を作ることができる人」です。責任の重さや自立の程度によって自由の度合いは顕著に現れるでしょう。【事業内容1】
スタッフ写真
【事業内容2】
主業務であるビルメンテナンス(床磨き)の様子
『お客様にどれだけ喜んでいただけるか』試行錯誤をしないと生まれない喜びを学びました。
Q4 その上で、挑戦しつづけられる理由は何ですか?
単純に、反応と結果が「楽しい」からです。アイデアはすぐ行動に移します。ホームページを刷新すれば大型案件が舞い込んできましたし、作業着のリニューアルもそのひとつです。ビルメンテナンス業界は日の目を浴びることはあまりありません。しかし、作業着をデニムにすると明るいイメージが定着し、お客様からの評判も良く、従業員のモチベーションも向上しました。お客様の反応、社員との関り、新規案件の受注、ひとつひとつに楽しみを見いだしながらアイデアを形にしていく。ワクワクすることが挑戦し続けられる原動力ですね。Q5 現在実施されている事業の魅力は何ですか?
ビルメンテナンス業は作業後の結果が明白で、一目で仕事ぶりを評価していただけます。そこは魅力ですね。また環境面、SDGsの観点において、当社では環境に配慮した洗剤や清掃方法を採用しています。例えば、環境に優しくない床ワックスの剥離剤を使用しない清掃方法を提案しています。ビルメンテナンス業界は、住環境を維持し良くしていくことが仕事ですので、環境問題に私たちが率先して取り組んでいかなければなりません。Q6 現在の事業のノウハウの基盤は何ですか?
前職で現場作業にあたっていた時、あるお客様から「窓ガラスに線が残っている」とクレームが入りました。許容範囲と思っていたことがお客様をさらに怒らせてしまい、必死で信頼回復に当たりました。「今日はパットを変えてみよう」「洗剤を変えてみよう」と試行錯誤をして作業に当たると、お客様の反応が変わりました。この経験が私の礎となり、お客様にどれだけ喜んでいただけるか、試行錯誤をしないと生まれない喜びを学びました。仕事の醍醐味を感じましたね。Q7 地域とのつながりはありますか?その意義は何ですか?
最近では、会社のプロモーションのひとつとして、近隣の親子に映画を鑑賞する機会を提供させていただいたところ、多くの皆さんが喜んでくださり、さらに当社の存在を知っていただけました。こういった取り組みが、地域貢献や将来の雇用に繋がっていけばいいなと思っています。また、青年会議所に所属し、町づくりに取り組んだことも大きな経験です。その繋がりの中で、異業種が集まり、地域活性の会社も立ち上げました。この地域で育ち、事業をさせていただいていることには感謝しかありません。私ができる恩返しをしていきたいと感じています。Q8 ちば起業の魅力は何ですか?
千葉県は、第一次産業をするにはうってつけの地域です。東京にも近く、インフラは整っていますし、自然にあふれています。特に、都心に比べ家賃が低価格であることは魅力のひとつです。事業所や倉庫が必要な当社も恩恵を受けています。また、最近はインターネットさえあれば場所を選ばず仕事をすることができるので、海も山もあり、空気もきれいで自然豊かな千葉県での起業を是非おすすめします。Q9 これから起業を考えている方にメッセージをお願いします。
たった1回しかない人生なので是非挑戦してください。もし失敗を恐れるのなら、雇用されたままの方がいいのかもしれない。失敗はみんなしますし、経営者は失敗を乗り越えて今があります。私は起業して1ミクロンの後悔もありません。今、起業の仕方は自由です。雇用されながら起業できる会社も多いですし、最初は副業から始めてもいい。働き方の多様性は多岐にわたります。既存の起業や雇用形態にとらわれず、とにかく自分で何かを生み出せるようになることが大事だと思います。好きな漢字は?
「笑」 楽しいことをたくさん増やすことが人生の醍醐味じゃないですかね。影響を受けた本は?
繁栄の法則:戸が笑う/北川八郎 著自然経営 ダイヤモンドメディアが開拓した次世代ティール組織/武井浩三・天外伺朗 著
ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現/フレデリックラルー 著
オンとオフの切り替え方は?
特に設けておりません(笑)千葉で注目している起業家、経営者は?
株式会社ブレイス/代表取締役社長 鈴木淳也 氏株式会社イシド/代表取締役社長 沼田紀代美 氏