時代の変わり目を見通し、
新たな事業機会を逃さず掴み取る
- 株式会社ファインドスターグループ
代表取締役 内藤 真一郎
(ないとう しんいちろう) 1967年鹿児島県出身。千葉県浦安市在住。大学卒業後、リクルート人材センター(現:株式会社リクルート)に入社。1994年に退職し、1996年に株式会社アレストを創業。ニッチメディアの広告代理事業に参入し、業界のパイオニアとして3000社以上のニッチメディアを発掘。2015年に株式会社ファインドスターグループを設立し、代表取締役に就任する。グループ売上376億、雇用数800人以上。マーケティングを中心としたグループ企業は17社で、日本全体では営業利益1億は0.3%だが、約40%のグループ会社が営業利益1億を突破。製造者がダイレクトに消費者と取り引きをするD2C(Direct to Consumer)クライアントの広告に特化した広告代理業と海外進出支援を行う。
起業のきっかけは?
友人がリフォーム会社を起業し、当時務めていたリクルート人材センターを辞めて転職したのですが、そこが倒産してしまったのが直接のきっかけです。学生の頃から起業をしたいなと思っていたので、いい機会だなと決断しました。もともと本が好きで、東急グループの創設者である五島慶太さんや、西武王国を創った堤康次郎さん、ダイエー創業者の中内㓛さんの本を読んでとても憧れていました。また、学生時代はバブル絶頂期の頃。貧富の差がものすごくて、親の外車を乗り回している学生もいれば、私のようにお金がない学生もいる。いつかお金持ちになりたいという気持ちがありました。
一番苦労したことは?起業時で一番苦労したことや
ターニングポイントなどをお聞かせください。
創業からWEBの制作を行っていましたが、売り上げの4割を占めるクライアントを社員がもって、独立してしまったことがありました。会社はすぐに赤字になり、事業転換に踏み切ったのがターニングポイントになりましたね。創業期の別の事業でベッコアメというプロバイダーの会員誌に広告を入れていいよ、というお話をいただいたのでチラシを入れたところ、めちゃくちゃ売れたのです。その時のことを思い出して会員誌に特化した広告代理業に転換しました。そして、会員誌の情報サイトを作ってリスティング広告を始めたところ、これも当たったのです。
起業家・経営者と雇用される生き方の
違いや魅力は何ですか?
サラリーマンも経営者も経験したうえで思うのは、起業家や経営者というのは結果が明確に分かる仕事だということですね。営業利益という通信簿が定量的に、そして継続的に出ます。自分の結果が明確に分かる仕事というのはなかなかないですよ。サラリーマンの場合、仕事の業績が自分の頑張りの結果なのか、会社のおかげなのかわかりづらいですよね。そして、結果がわかる仕事というのは非常にやりがいがある。これが第一です。もう一つは、起業家・経営者は自由だということ。人に何かを言われて動くということは、私の場合はもうないので、生きていてとても楽しいし、自由です。
【事業内容1】
グループ企業17社で企業のマーケティングを支援。
おもにD2C企業の支援が多い。
【事業内容2】
EC事業者への海外進出支援。
おもに台湾を中心としてアジア圏をサポート。
人口減少社会に立ち向かうため
スケールのある企業に
成長させていくべき
ビジネスを通して、解決したい社会課題や
地域課題についてお聞かせください。
社会課題として明確に意識しているのは、人口減少社会です。この問題に真剣に向き合わないと、今後本当に大変な状況に陥るでしょう。では、人口減少社会に対して企業サイドがどうすべきかを考えたら、やはり生産性を上げることが必須。生産性を上げるには、答えは一つしかなくて、成長するしかありません。企業規模を拡大していくということです。私が代表理事を務めているCIB(一般社団法人千葉イノベーションベース)の活動に力を入れているのは、言い方は失礼ですが中小零細企業の方に次のステージに行っていただかないと、社会を支える企業が育たないという思いがあるからです。起業というと、ベンチャーを思い浮かべる方もいれば、自分でビジネスをすると考える方もいるかもしれません。独立される方を否定するわけではないのですが、それなりに規模のある企業を興す人を増やしていかないといけません。起業したり規模感のある会社を興したりする人がなぜ少ないかというと、その仕組みが少ないから。仕組みを作って、周囲の身近な人が成功すれば、もっと多くの人が挑戦すると思います。これは我々の企業体の話ですが、当社は起業したい若者を採用して、彼らの起業を支援しています。事業がうまくいって、ロールモデルができる。そして挑戦する人が増えるならば、グッドサイクルです。
あなたが考えるこれからの世の中や目指す
社会についてビジョンをお聞かせください。
やはり一番には、起業家やベンチャーが尊敬される社会にしたいです。スタートアップに行こうとか起業しようとか言うと、親や配偶者に反対されるでしょう。そんな社会でベンチャーが育つわけありませんので、そういう風潮を少しでも変えていけたらなと思っています。日本の経済が低迷しているのは、企業の新陳代謝が悪いからです。このままでは確実に日本の経済は取り残されると思っています。就職ランキングが物語っていると思いますが、優秀な学生は未だに旧態依然とした会社に就職したがる。憧れるようなメガ・ベンチャーが出てこないので、それはある意味当然かもしれませんが、危機感を覚えています。
千葉への想いや魅力について
お聞かせください。
父が千葉県出身、祖父が千葉大医学部でしたので、千葉とのつながりは大きいですよ。私は浦安在住ですが、浦安は東京圏でしょう。一方で、木更津や勝浦は都心とはまったく違う世界観がある。多様性があるところがものすごく魅力だなと思っています。そして、千葉で生まれ育った方はものすごく千葉愛があるのがいいですよね。CIBに関しては、先輩起業家は後輩のために何かしたいと思っていたのに、そのフォーマットがなかった。貢献できるフォーマットが生み出されたというのは、本当に画期的なことでした。CIBがただの中小企業の集まりにならないよう、今後も注力していきたいですね。
千葉のポテンシャルについて、
考えをお聞かせください。
千葉は人材の宝庫です。単純に千葉の人口が多いということもありますし、都心に近いですから、東京で働いている人に千葉で働いてもらってもいい。そういう意味でも人材は無数にいます。問題は、箱がないということ。千葉で働きたい人を受け入れる受け皿を作らなければならないと思います。また、他県と比べて、千葉は情報格差がない。都心に近いので、東京のネットワークがそのまま使えるのです。例えば、地方で上場している起業家に会いたいと言っても会う機会が少ない。千葉の人は東京に出ればすぐにアクセスできますからね。それでいて、独自の経済圏が作れるというのも強みです。
これから起業を考えている方や
起業間もない
経営者へメッセージを
お願いします。
同じ志を持っている仲間を早い段階で見つけることですね。私の場合、起業した当初は高い志もなく、売上げもずっと横ばいでした。しかし、いくつかの大きな会社の経営者とのご縁をいただけて、「こんなふうになりたい」というビジョンが描けたというのは、私にとってとても大きかったです。経営者って、経営の悩みというのは同じ経営者にしかできないじゃないですか。一緒の苦労している人だと会話も共通ですし。でも、「どういうふうに組織をつくっていくべきか?」という、0を1にするような悩みを外部の経営者に相談できたのは、私にとって財産になりました。ぜひ起業家の仲間を見つけてください。
- 会社名
- 株式会社ファインドスターグループ
- 電話番号
- 03-6860-4200
- 現在の資本金
- 4億5,882万8,500円
- 現在の年商
- 376億円
- 従業員数
- 839名
(グループ連結2022年6月1日現在)
- 業 種
- インターネット・広告・メディア
- 事業概要
- 広告代理業
- 所在地
- 東京都千代田区神田三崎町1-4-17
東洋ビル11F
- 好きな漢字は?「縁」
- 今回このインタビューのお話をいただけたのもご縁があったからですよね。縁というのは自分の人生を豊かにしてくれると思います。
- オンとオフの切り替え方は?
- やっぱりお酒の力は大きいです。利害関係のない仲間と飲んでいるときは本当に楽しいですよね。旅行やゴルフもいい気分転換になります。
- 影響を受けた本は?
- ビジョナリー・カンパニー 2 飛躍の法則
/ジム・コリンズ 著 - 日本企業の勝算 人材確保×生産性×企業成長
/デービッド・アトキンソン 著 - 一勝九敗/柳井 正 著
- ビジョナリー・カンパニー 2 飛躍の法則
- 千葉で注目している起業家、経営者は?
- 株式会社デベロップ 代表取締役 岡村 健史さん
- 株式会社フューチャーリンクネットワーク
代表取締役 石井 丈晴さん - 株式会社地域新聞社 代表取締役社長 山田 旬さん
- 生年月日
- ………………
- 1967年6月13日
- 起業年
- …………………
- 1996年
- 起業スタイル
- …………
- 会社員から
- スタートメンバーは
- …
- 友人・知人