本年度で9回目を迎える、CHIBAビジコン。千葉県の活性化や課題解決につながるビジネスプランを広く募集し、2次審査を突破したファイナリスト6組が2024年2月5日幕張メッセの舞台で最終プレゼンテーションを行います。
審査員と来場者の投票により千葉県知事賞(ちば起業家大賞、優秀賞)が決定します。
プレゼンター1
株式会社GRIPS
森田 康
■ビジネスプラン名■
ロボット制御を汎用化するプラットフォーム「ROSSetter」の開発
■事業概要■
1.次世代STEM教材、リスキリングサービスの開発および販売
2.企業間オープンイノベーションの支援
3.i-STEM教材配信、およびロボティクス環境のDX化を提案
4.新事業領域探索(ラボ内DX)
■この事業で目指すこと■
本事業で目指したいことは、ロボットなどの自働化システムの制御に利用できる汎用制御プラットフォーム「ROSSetter」(ロゼッタ)の開発です。 ROSSetterはこれまでロボットメーカ独自の制御ソフト開発環境でしか開発できなかった制御プログラムを、どんなロボットに対しても適用できるソフトにすることを目的としています。ROSSetterの利用によりユーザは、ハードウェアに依存しないソフトウェア開発が可能となり、一品物になりがちなロボットシステムの制御部分を汎用化することで、導入時の初期コストを抑えることが期待できます。ユーザプログラムの再利用性、資産化を高めることで、 新しい技術の融合による生産性の飛躍的な向上に貢献したいと考えています。
プレゼンター2
株式会社Infinect
安部 邦秋
■ビジネスプラン名■
次世代型デジタル認証プラットフォーム
■事業概要■
『企業・組織毎で分断されたインターネットサービス、データ』を繋ぐ次世代のITインフラ構築事業。先端技術であるweb3(ブロックチェーン)の利用に加え、海外企業との連携により、グローバル仕様を前提に進捗。
■この事業で目指すこと■
1.G7や日本が目指す企業・組織間のデータ流通を促進させる新たなデータ経済市場の構築を目指すDFFT(Data Free Flow WithTrust)を実現させる。
2.地方における価値あるデータを集積・活用し、新たな収益源を確立させ、地方創生の一助とする。
3.従来の資本主義経済における、売上・利益至上主義の中、持続させることの難しい公益事業において、その課題を克服し得る新たな経済システムを構築する。その実現に向け、ブロックチェーンにおける独自の経済システムや、DAO(自立分散型組織・コミュニティー経済)の仕組みを活用し、新たな機能を備えた財団の設立を目指す。
弊社はこれらを通し、公益的でありながらも持続可能な社会インフラを構築し、そこに価値観を同じくする人々(コミュニティー)の繋がりを広げていくことで、民間主導であっても多様な社会課題を解決させられる循環を作っていきたいと考えております!
プレゼンター3
アペロジャパン株式会社
松下 亜里奈
■ビジネスプラン名■
ペットフードから広がる いのちと資源の有効活用
■事業概要■
2018年に地産地消にこだわった無添加ペットフードの製造販売を開始。1万人以上を集客する湾岸エリア最大級のドッグフェスも年3回開催。現在需要の高いジビエの安定供給を図るべく館山の地元メンバーとチームを結成し普及と担い手育成に取り組む。
■この事業で目指すこと■
大切な家族の一員である愛犬のアレルギーや病気、高齢化をきっかけに⻝育や健康面に気をつける飼い主が増加しています。中でも高タンパク・低脂質で栄養豊富なジビエが食材として人気ですが、猟師の高齢化や加工技術者の不足により、食用基準で安全で高品質なジビエを安定して仕入れることは容易ではありません。
一方、千葉県では近年害獣被害が深刻化していますが、捕獲された鹿や猪の9割以上が害獣として処分されているのが現状です。いのちを無駄に廃棄するのではなく、安全で質の高いジビエ食材に変え、広く普及させたい!そんな思いで館山ジビエセンターの沖氏を中心に「房総田舎サイクル100%プロジェクト《房総PEACE》」を結成し、チームで館山ジビエの普及をはじめ、猟師や解体師などの次世代の担い手の育成や里山再生に取り組みます。
また、愛犬の食生活の向上のみならず、県内愛犬お出かけマップ作成や県内ペットショップと連携したマナーアップキャンペーンなどを展開し千葉県を「日本一ペットと楽しめる県」にします。
プレゼンター4
石山生産獣医科
石山 大
■ビジネスプラン名■
MILook:酪農場のニーズを満たし、乳用牛の健康を増進する遠隔支援
■事業概要■
牛専門の獣医師不足と収益悪化に酪農場は晒されている。MILookは、乳用牛の健康状態と給与飼料内容の診断を行い、結果に基づいて個別の飼料設計を行う遠隔健康管理サービスです。このサービスで酪農経営を支えます。
■この事業で目指すこと■
MILookの目標は、乳用牛の健康状態の遠隔診断を通じて問題点を把握し、個別の飼料設計で応えることである。この手法により、乳用牛の健康増進と酪農場の収益向上を目指す。
通常、地域の獣医師や飼料会社が飼料設計を行うが、牛専門の獣医師は全国的に不足している。また、飼料価格と光熱費の高騰により酪農場の収益は悪化している。
牛の飼料は牧草と穀類に分けられ、飼料のバランスが牛の健康に影響を与える。しかし、夏季や飼料不足時の一時的な飼料の変更により、乳用牛の栄養バランスが崩れる例が散見されている。一方、環境問題や消費者の意識変化に対応するため、メタンガスの排出抑制やオーガニック指向、動物福祉への配慮など、飼料に関する酪農場の要望は多様化している。これらの背景を踏まえ、乳用牛の健康状態を獣医師が遠隔でモニタリングし、時代のニーズや酪農場の要望に応じた飼料設計を実施する。
MILookは酪農場における労働負担の軽減と生産性の向上にも寄与する。酪農場の作業員の労働時間は他業種と比べると長い。乳用牛の健康を保つことで作業負担を軽減し、生産性を高めることができる。このMILookは、千葉県の活性化と課題解決に寄与すると信じている。
プレゼンター5
株式会社さかなドリーム
細谷 俊一郎
■ビジネスプラン名■
千葉の魚で養殖を成長産業に!「ハイブリッド魚」開発事業
■事業概要■
さかなドリームは、千葉県で獲れる抜群に美味しい魚を、最先端の技術によって品種改良することで、世界一旨い養殖魚の開発を目指す企業です。オリジナル養殖魚の生産を通じて、千葉県の水産業の新たな柱を創出します。
■この事業で目指すこと■
①「こんなに旨い魚があったなんて!」という感動を提供する
皆さんはこの1か月で何種類の魚を食べたでしょうか?千葉県にはなんと1,000種類を超える魚が生息していると言われており、その中には抜群の旨さを誇る「幻の魚」が数多く存在しています。しかし、それらの魚は不安定な漁獲量や知名度の低さが原因で一般には流通せず、限られた方しか食べることができません。当社は、東京海洋大学が開発した独自技術「代理親魚技法」を用いて品種改良することで、希少魚の民主化を実現すると共に、人類未踏の味わいを持つ魚を生み出していきます。
②日本の養殖業の魅力を世界に届ける
斜陽産業と言われることもある日本の養殖業ですが、豊富な水産資源、大学や研究機関の先進的な研究、生産者の養殖技術、高度なコールドチェーン、巨大な水産市場、寿司を始めとする魚料理は、紛れもなく世界最高峰の水準にある日本の宝です。ここに当社が生み出していく最高の魚を加えることで、日本の強みを最大限に活かして、養殖業を再び成長産業にしていくための一助になることを目指します。
プレゼンター6
株式会社ユニファ・テック
神崎 康治
■ビジネスプラン名■
国際IT都市CHIBAを実現する、高セキュリティワークスペース事業
■事業概要■
現代人のライフラインとも言える銀行システムや通信システム。今、人口減少によるIT人材不足のため、ITシステムの安定運用が困難になっている。千葉から地方と世界をテレワークで繋ぐことで、IT人材不足を解消する。
■この事業で目指すこと■
2023年7月にアメリカへ出張した際に、日本の経済停滞と円安ドル高の影響による物価の違いを痛感し、このままでは日本はまずいのではないか?と強い危機感を抱きました。
そこで、千葉県独自の強みを活かした新たな産業を創造し、海外へ輸出して外貨を稼げば、日本は再び活力を取り戻せる!との仮説を立て、CHIBAビジコンに応募しました。千葉県独自の強みについて調べてみると、房総半島の海底ケーブル陸揚げ局や、印西市のデータセンターは、世界的に見てもIT都市としての高いポテンシャルを持っており、この好条件と弊社独自の強みをかけあわせて、今回発表するビジネスプランを考案しました。
自動運転やドローンのように通信遅延が許されないシステムを動かすために、今後は世界各地にエッジ(小規模)データセンターが建設されると言われています。せっかくファイナリストとして発表する機会を頂いたので、ただのビジネスアイデアで終わらせるのではなく、千葉県が長年培ってきたデータセンター運用のノウハウを産官学金でパッケージ化し、世界展開するところまで実現したいと思います!