10月4日 超域クラウド交流会2015 開催レポートvol.2

リアル起業家トーク

特別企画では県内起業家たちによる
経営者についてのリアルなトークが

「超域クラウド交流会2015」がスタートして3時間が過ぎ、ちば起業家大賞授賞式の余韻を残しつつ始まったのは、特別企画「リアル起業家スピーチ」だ。ちば起業家応援事業においてロールモデルとして選ばれた10人の経営者たち“地域のリーダー”が集結し、志やビジョン、経営者として挑戦しつづける事の意義などを語った。医療、教育、建築、食といったさまざまな分野でその優れた手腕を発揮している10人のトークをダイジェストで振り返ってみる。

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サラリーマンからMBAを取得し
病児保育分野に進出したパパ起業家

株式会社マザープラネット代表 藪本敦弘さん

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私は大学を卒業して15年の間に11回も転居を繰り返していたため、あまり地元愛や地元意識がありませんでした。ですが東日本大震災を経験し、自宅から離れた東京ではなく地元流山で働く事に興味を持ったんです。それで起業を決意しました。
起業して気づいたのは、自分が1歩前に進むとそれまでとまったく違う世界が見えること。会社員だった頃よりいろんな方に出会えますから、起業とは「世界の扉を開くこと」だと私は思います。これから起業を考えている方にはぜひそれを体感してもらいたいです。

地元の生産者とひとつになって
房総の美味しい食を発信していく

外食/株式会社ふさぶさ取締役 小野薫さん

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オンラインストアで自社製プリンやロールケーキを販売するところから始まり、鴨川で地元食材を使った「里海食堂」を開きました。こちらでは、サバサンドやブイヤベースなど、房総でとれた新鮮な魚介類を使った料理などが人気です。もともと県産食材や生産者をPRする目的もあったので、店内ではアンテナショップさながらに地元の優れた食材や加工品も販売しています。その他に、房総の生産者と一緒になって料理教室やベジブーケといったワークショップも度々開催しているんですよ。
弊社のテーマは、自分たちの手で食材と対話しながら商品を製造し、消費者に直接販売すること。地元の生産者さんたちと一緒になって少しずつ地域の経済を動かし、街全体が活性化することを目指しています。

独自に考案したリオン式教育メソッドにより
難関大学合格への近道を提供しつづける

教育/株式会社リオン代表 松田貴盛さん

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アリゾナ州に住んでいた20歳の頃、ベトナム人が経営する寿司屋へアルバイトの面接に行きました。「ユー ジャパニーズ。スシOKネ!」私が日本人というだけで即採用となり、その晩から寿司を握ることに。しかし寿司を握った経験なんてありませんから、当然ながら握ったシャリがパラパラと崩れます。店を閉めたあと、彼はシャリが崩れないようにロールにしようと言い出します。次の日から私の作った寿司ロールはバカ売れでした。彼は失敗を失敗とも思わない、つまり経営者としての意識が非常に高いと感じました。人は、意識が変われば物の見方が変わり、次第に行動が変わります。その行動が新しい大きなエネルギーとなります。
私はいつも生徒たちに「I will break you, you will make you」君らの意識を改革させ、最後は自分で道を切り拓いてほしい、と。生徒たちの意識をかえて、優れた人材を育成していきたいと思っています。起業家の皆さんはどうか高い意識を持って千葉を、いや日本を変えてください!

創業から18期連続成長!
僕が経営者へと成長できた理由

建設・不動産/有限会社リペイント代表 原基弘さん

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20歳で塗装業界に入り、親方のもとで9年ほどお世話になってから独立しましたが最初は仕事がありませんでした。仲間の現場を手伝ってなんとか食いつなぐうちに、ご縁があっていろいろと声がかかるようになり、最近ではリフォーム事業やURさんと提携したリノベーション事業などにも進出しています。
なぜ僕の会社が18年間ずっと成長してこれたのか? それは「人」です。僕のビジョンに共感して働いてくれる「人」がいたからこそ、ここまで成長してこれたと痛感しています。たったひとりでもいい、起業を目指すあなたのビジョンに共感してくれる人がいたらきっと進んでいけます。起業は楽しいものです。ぜひ1歩前に進んでください。

元幼稚園の先生がそろばん塾社長に
全国170教室、世界へも展開

教育/株式会社イシド代表 沼田紀代美さん

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弊社は白井市で創業して43年。今では全国170教室を持つまでに成長しました。その理由は、そろばんに能力開発という価値があるからです。指先を使い、目で見て検証し、自分の頭で考える。これは脳科学的にも天才の学習法として立証されています。
最近の子どもたちはこう言います。「そんなの無理だ」「やっても無駄だよ」と。私は非常に悲しいです。好きなことだけさせ無理なことはさせない。個人主義を尊重するあまり、人への思いやりが欠けてしまう。これは日本の教育に足りない部分です。そろばんを通じて頑張ることを知った子どもたちは笑顔になります。我が子の笑顔を見たお母さんたちも変わります。「あなたには無理よ」という発想が消え、「よく頑張ったね」「次も頑張ろうね」と、次のステップに挑戦する心を育みます。これは世界中の子供たちに共通する普遍的な価値だと信じています。

創業16年で国内・海外に27店舗
人の成長に重きを置く外食産業の雄

外食/株式会社KUURAKU GROUP代表 福原裕一さん

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ファイナリスト5名のプレゼンを聞いて、創業した頃を思いだしました。やはり大事なのは「思い」であり「情熱」なんだなあって。大賞が発表されたとき、宇賀さん(大賞受賞者)の奥様が大変喜んでいらしたのも印象的でした。何かに挑戦するとき、そばで応援してくれる人の存在って大きいですよね。
起業家にとって大事なことはふたつあると思っています。ひとつは価値観。自分は何が好きで何に重きを置くかを知っておくこと。もうひとつはビジョンです。どうやって道を進むか? 誰と進むか? そうして世の中にどんな新しい価値を提供できるかを考えてもらいたいです。

直営40店、13年連続
2ケタ成長を実現した秘策とは

理容・美容/株式会社オオクシ 大串哲史さん

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カットオンリークラブ業態を中心に直営40店舗を展開しています。年間の延べ来店客数は79万人です。私が経営者になって右肩上がりで成長してきた要因はただひとつ、「上質なサービスを提供することで地域に貢献する」を守ってきたからだと確信しています。先日、DIYで壁に穴を開けようとドリルを買いにホームセンターに行きました。必要な物はドリルですが、実は本当に必要な物は穴ですよね。これを私たちの事業に置き換えると、店はドリルです。私たちが本当に欲しいのはお客様の笑顔。お客様が求めている上質かつ丁寧なサービスを提供できれば、お客様は笑顔になります。つまり、事業は継続していけるのです。

子ども時代に好きだったことで起業を
それがモチベーション継続のカギとなる

建設・不動産/株式会社トミオ代表 大澤成行さん

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弊社は注文住宅を軸にリフォーム、カフェ、インテリアショップ、有料老人ホーム、子ども体操教室、認可保育園など、多種多様な事業を展開しています。東日本大震災のあと3ヶ月もの間発注がストップし、売上がまったくありませんでした。しかもお客様のお宅の修理はあったのでお金は出ていくだけ。これがもし被災地だったら倒産していたでしょう。
そんな経験があって、ひとつの事業に頼るのは危険と思い多業種展開を始めました。50歳を迎えた今年、私はひとつの目標を立てました。この先10年間で10人の社長を生み出そう、と。次の世代の人たちにどんどんバトンタッチしていきたいと思っています。起業したいという方がいたら、ぜひあちらの弊社ブースに来てください。一緒にやりましょう。私もまだまだチャレンジし続けたいです!

先代の会社を成長に導き
自身のブランドで業界に革命を起こす

建設・不動産/ネクストワン インターナショナル株式会社代表 遠藤一平さん

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20歳から不動産の訪問営業でキャリアをスタートさせ、今は千葉でウィズママの家という注文住宅、三井ガーデンホテルの1階でも中古マンションリフォームあるある情報館を展開しています。都内でも中古マンションのリフォーム事業、海外でも住宅造成などをやっています。
私が今後目指しているのは、人口増加の著しいベトナムで戸建事業にフォーカスすること。韓国でのリフォーム事業も大きく飛躍させ、45歳までに1000億円企業に成長させたいと思います。もちろん国内でも、全国で年間1000棟は住宅の依頼を受けたいと考え、日々突き進んでいます。

「医療の倫理と企業の論理の融合」を理念に
医療の産業化とグローバル展開を手掛ける

医療/DSヘルスケアグループ代表・CEO 寒竹郁夫さん

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歯科医療グループを展開する我々が目指すのは「医療の産業化」です。医療って社会保障の枠のなかでやっているので、国にとってはコストとなります。それを予防医療や再生医療などを含めた大きな産業として繁栄させていける自信が私にはあります。国内はもちろん海外展開にも力を入れており、アジア諸国においてニーズの高いインプラント治療などは、今後間違いなく発展できるチャンスがあります。
尊敬する吉田松陰の言葉に「夢なき者に成功はなし」というものがあります。彼はたった2年半で今の日本を支える人材を沢山輩出しました。彼は門下生たちにいつも夢を語ったといいますね。私は28年前に稲毛海岸で歯科クリニックを開業しました。そのときから、つねに夢を忘れることはなかった。これから起業するならぜひ、あなた方の胸に秘めた夢を忘れないよう頑張ってください。

リアル起業家たちの熱い思い、経験談などが約1時間に渡って繰り広げられた。10名の講演が終わったあと、会場からは盛大な拍手がいつまでも続いた。
そしてこの後、リアル起業家たちも会場の参加者と混じり、直接参加者と会話して交流を深める、超交流会が実現した。会場に集まった経営者、起業を目指す人にとって、非常に有益なトークイベントとなったであろう。