株式会社Triplex Therapeutics 矢野 隆光

起業家プロフィール

株式会社Triplex Therapeutics 矢野 隆光
会社ロゴ

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蛍光タンパク質GFP遺伝子を発現させたガン細胞

蛍光タンパク質GFP遺伝子を発現させたガン細胞

3重螺旋のDNA

3重螺旋のDNA

新薬開発の地平線、その向こう側へ

株式会社Triplex Therapeutics

矢野 隆光

出身地
秋田県湯沢市
生年月日
1972年3月12日
幼少期〜学生時代について
高校を卒業する18才まで、自然豊かな秋田県で過ごす。小学校低学年の以前よりサイエンスに興味があり、将来は科学者になることを志す。しかし当時は具体的な分野は決まっていなかった。小学校、科学に理解のある両親に顕微鏡を買って貰って自分の血球細胞の写真を撮ったり、望遠鏡で天体観測などしたりしていました。家にある機械・電化製品を分解してよく叱られる。
高校の2年次に迷わず、理系クラスに進み、地元の進学校ということもあり、理科全般の受験科目を半強制的に学ばされる。その中で高校生物の遺伝子研究の単元に強く惹かれる。アラン・ディーン・フォスターの小説を読んで、生物系の大学学部に進学することに決めた。
結果的に国立大学理学部生物系に進学し卒業をすることなったが、在学中、旧態依然とした大学学部の生物学の授業に失望し、大学3年の時、大学を休学し、TOEFLの英語のスコアと大学で取得した単位を持って、入学許可の降りたカリフォルニア大学サンタバーバラ校の2年次に勇んで留学する。
帰国後は米国で気になった、ガン細胞のミトコンドリアDNAの論文を読むことに時間を費やす。この分野は殆ど未開拓であることから、大学院でミトコンドリア遺伝子の研究に進むことにする。この頃からミトコンドリア遺伝子の病気の方に徐々に興味が移った。東京大学に新キャンパスが出来て、新領域創成科学研究科にミトコンドリア病を研究している新たに研究室が出来たこと知り、大学院博士課程に進学することになり、在学中には変異型ミトコンドリアDNAの消失現象の研究に注力した。博士課程をギリギリまで延長し、研究を続けた甲斐があって、ミトコンドリアDNAの複製を制御する化合物の設計に辿り着き、ミトコンドリア病モデル細胞で効果を確認し、そのデータを博士論文にまとめ、博士課程を修了する。指導教官の同意を得て、治療物質の単独出願をした。
社会人時代について
治療物質をどうやったら製薬化出来るか、国立の研究所に勤務している時に色々考えていたが、任期中に慶應義塾大学の医学部総合医科学研究センターの教員の募集が有り、応募して、特任助教になる。
慶應義塾の医学部では製薬メーカーの役員と起業精神のある学生との交流会を度々開いており、それに参加して将来の起業のことを考えたりしていた。アメリカのシカゴでの国際学会に参加することになり、ミトコンドリア病治療物質の口頭での発表を行なう。それからの縁でカリフォルニア大学サンディエゴ校で一年過し、患者由来細胞での効果を確かめる。帰国後、製薬化に本格的に乗り出す。その後、大学を退職し、バイオ系ベンチャーの起業がしやすい、と思った千葉県に会社を設立した。

起業家への十問十答10 questions and 10 answers

具体的な事業内容について
遺伝性神経筋疾患である、ミトコンドリア病MELASに対する治療物質であるML1ポリアミド(特許5865347、米国特許US 9,518,152B2)の製薬化と、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する治療物質の開発。

※ページ下部に参照リンク有。
こだわり
ミトコンドリア病や筋ジストロフィーの様な神経と筋肉の遺伝子の難病(神経筋疾患)には現在、健常者と同等の社会生活を送ることができる様になるための根本的な治療薬は有りません。私たちは単に延命だけでなく、根本的な回復を促し、社会復帰出来るための新薬の創出を目指しております。


事業を始めたきっかけ
最初の切っ掛けは、留学先のアメリカの大学の医療センターで見た患者さんの姿に衝撃を受けたからです。それまで研究をしていたミトコンドリア病、その患者さんの様子というのを見たことが無かったのです。
実験室で想像していた患者さんの姿とのあまりのギャップに衝撃を受けました。それ以降、「研究を研究のままで終わらせない」と強く思い、実験データを取り続けていました。
また、当時の研究は、大学での基礎理論の研究から次のステップに向けて進める段階に来ていました。大学の実験開発の能力を備えつつ、しかも製薬業界や産業界との繋がりを持ち、完成品である製薬として研究する為の様々な特性を持った存在が私には必要でしたが、それまで研究していた大学や一般企業にもそれを見出すことが出来ませんでした。それは、大学と企業との丁度、中間の立ち位置にあるところ、それは研究開発に特化した企業でした。
もし、起業するとすれば、それも大手などが開発しにくい、陽の当たらないミトコンドリア病などの希少疾患の分野であろうと考えました。小回りの利くベンチャー企業だからこそ、出来る分野であり、当時、その⻑い研究歴があり、実験技術も持っていました。
また大学院の修了時には、治療物質の特許の出願も済ませていたことも重なりました。このまま研究を続けたとしても、人知れず基礎研究が繰り返されるだけで、ミトコンドリア病の患者さんの方々を救う可能性のある治療物質が何年経っても世に出ること無く埋もれてしまう、と当時、危機感が有りましたが、しかし、起業する条件は整っていたのです。
今後の展開と目標
取得したin vitro前臨床POCデータを開示し、外部から資金面や薬剤試験のノウハウの支援を受けつつ、前臨床試験を施行、その後、大学病院等で治験を行い、数年(3-4年)での製品化を目指す。
なぜ千葉で起業しようと考えたのか
東京都内、米国のカリフォルニア州、茨城県つくば市などに所在する研究機関を渡り歩きましたが、治療用化合物の国内特許が成立したのを機に、創薬ベンチャーの起業を決意し、より大きな自由度や公的支援を求めて、茨城県から千葉県へやって来ました。その心には、2000年に、シロイヌナズナの全ゲノム配列を決定した、木更津市にある「かずさDNA研究所」が印象深く残っており、また大学院生の時代を過ごした東京大学柏キャンパスや、理学、農学、薬学、医学の生命科学系研究科を多数持つ千葉大学などがある、この千葉県でのバイオベンチャーの起業が、他の地域よりも好ましく思えたからです。
尊敬する起業家や経営者は?
特定の方はございません。皆、道それぞれだと思います。
影響を受けた本は?
聖書(新改訳)。学生時代から精神的な支えになっている書です。
座右の銘は?
正直は最善の策(Honesty is the best policy)

理由
父からの言葉です。真実がたとえ自分にとって、不利だったとしても、一時凌ぎ的な嘘は後々になって大きな損失を齎らす。また、戦術としての使った騙し言葉や二枚舌も真実の前には最終的には立ちおおせない。それならば、一時的な不利な立場や悔しい思い、辛い思いを味わっても、最初から真実だけを話せば良いのです。聖書にも「不義によって得た財宝は役に立たない(箴言10:3)。」、「正しいことばは王たちの喜び。まっすぐ語る者は愛される(箴言16:13)」、また「だまし取ったパンはうまい。しかし、後にはその口はじゃりでいっぱいになる(箴言20:17)」など、古の賢人の数々の言葉が記されています。
注目するちばの経営者は?その理由は?
特定の方はございません。理由:皆それぞれですが、自分以外の全ての他者の成功や失敗から学び続け、成長し続けることを自身の目標にしております。
ありがとうを贈りたい方へメッセージ
まだ道半ばですが、これまでの道のりを歩んで来られたのは、本当に奇跡的です。資金的なご援助を惜しみなく差し伸べて下さっている方、ご自分の持っている知識やご経験を分け与えて下さっている方、私の遅々とした歩みをじっと陰で祈って下さっている方、その様に、私の活動を理解して下さり、温かく見守って下さっている、その全ての方々に深く感謝しております。皆様のご期待に答えられる様、一日も早く有効で安全な新薬を世に送り出すことが出来れば、と思っております。

会社概要Company Profile

会社名 株式会社Triplex Therapeutics
事業概要 ミトコンドリア病、筋ジストロフィーなどの遺伝性神経筋疾患に対する治療物質の開発と製薬化事業
企業理念 Giving is receiving.
所在地 千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデンCB棟3階MBP 他社との違い 全世界に存在する神経筋疾患の難病の患者様へ「社会復帰な可能な十分なレベルのQOL(Quality Of Life)を伴う」疾患からの根本的な回復・治癒を可能にする治療物質を開発・提供することを第一の使命としている。
業種 医療関係 その他 設立年 2016年
電話番号 資本金 300万円未満
現在の年商 掲載準備中 従業員数 1
HP ホームページはこちら

社名の一部である「triplex(トリプレックス)」とは、「3重螺旋:triple(トリプル:3重)+helix(ヘリックス:螺旋)」を表す分子生物学や核酸科学の専門用語です。

遺伝子の本体であるDNAは通常、2重螺旋構造ですが、弊社が開発している治療物質のML1ポリアミドは、このDNAの2重螺旋に結合し、3重螺旋を形成することから、これが社名の由来となっています。また、会社の設立時に、当時私が通っていたキリスト教会の、私を含めた3人のクリスチャンが、弊社の立ち上げに関わったことにも掛っています。

面白いことに、聖書の「伝道者の書(コヘレトの言葉)」には「3重の紐」のことが書かれています:「もしひとりなら、打ち負かされても、ふたりなら立ち向かえる。三つ撚りの糸は簡単には切れない。(新改訳)」。弊社のホームページには、この伝道者の書4章12節の聖句の英訳 、”Though one may be overpowered, two can defend themselves. A cord of three strands is not quickly broken.” が掲載されています(2018年2月現在)。